3-2.不動産の名義変更(相続登記)が必要な理由

3.相続登記・相続手続き

相続登記とは、相続財産である土地や建物の名義を変更する手続きです。

この手続きを怠ると、その土地や建物の所有権を主張することができないケースが出てきます。

しかしこの登記手続きには義務がなく、明確な手続期限も定まっていないために、名義変更をしないまま放置してしまう方もいらっしゃいます。

それでは、相続登記をせずにそのまま放置しても問題はないのでしょうか?

 

1.登記をしないデメリット

1)権利が否定される

その相続財産(不動産)に関する自分の権利を他人に主張することができません。

たとえ自分がその不動産を全て相続すると遺産分割協議書に書いてあっても、その相続登記がされていなければ、自分の所有権を100%主張できない場合があります。それは、他の相続人が、自分の持分を何も知らない第三者に勝手に売却して、所有権の移転登記をしてしまうという場合です。相続で100%の所有権を継承した本来の持ち主であっても、何も知らない買主に対しては、「自分の不動産だから返せ!」と言えないのです。

2)関係人が増える

時が経つとともに、関係の希薄な相続人がどんどん増え、いざ遺産分割協議をしようとしてもまとまる話もまとまらなくなる可能性が高くなります。

3)共有リスク

相続財産の名義変更(遺産分割)を終えてない場合は共有財産となるので、共有者全員の合意がなければその不動産の売却や、その不動産を担保に融資を受けたりすることもできません。

4)差押えされる

相続人の誰かに返済のできない債務がある場合、また、税金の滞納がある場合に、その相続人の持分が差し押さえられる可能性があります。

 

2.登記をしないで放置していた事例

1)死亡した人が地方に土地を保有していた場合で、遺族の方(相続人)では発見することが出来ずに、名義変更を怠ったケース

遺産分割協議もせずにこのまま放置しておくと、相続人が亡くなることで相続人となる方が増えていくケースもあります。そうなるといざと言うときに、遺産分割に異を唱え、協議が難航することを想定する必要があります。

そして何よりも、増えた相続人を探し出す手間暇と、そのための経費が膨らんでしまうというリスクを次世代の子どもたちに背負わせることになります。

2)相続人が(借金などを理由に)行方不明になってしまい、相続ができないと思い込み名義変更をしなかったケース

相続人がなんらかの理由で行方不明になってしまうこともあります。そしてその相続人が不在ではもちろん遺産分割協議は成立しません。

このような場合には、家庭裁判所に「不在者財産管理人選任の申立て」を行い、行方不明になってしまった相続人の代わりに、法律の専門家などが不在者財産管理人として、話し合いに参加し、遺産分割協議をすることができます。

3)登記済証(権利証)を紛失したため、登記ができないと思い込んでいるケース

不動産を所有している方は、権利証(不動産登記法改正による新制度では、登記識別情報)を持っていると思います。

紛失してしまった場合に権利証は再発行されることはありませんが、相続登記は権利証が無くてもすることができます。

4)相続登記をすると、“莫大な”相続税が発生すると思い込んでいるケース

相続登記と相続税は別問題です。役所は固定資産税課税台帳により、皆さんの不動産所有状況を把握しています。相続税のお尋ねは、来るときには来ます。それは、相続登記の有無とは無関係です。

5)なんらかの理由で登記をせずに、そのまま長期間経過してしまった場合、なんらかの罰則を恐れて、名義変更をしなかったケース

名義変更をしなかったからといって、罰則などが適用された例はございません。ですから、すぐに名義変更することをお勧めいたします。

ご自分の権利を守るためにも、登記は絶対にしておくべきです。

6)価値がないから、手続き費用を支払うのが惜しいとして放置したケース

もらっても処分に困る不動産があるのは事実です。しかし、隣人がもらってくれたり、道路用地のための土地収用であったり、その不動産を手放すチャンスがいつ訪れないとも限りません。そのようなときに、放置していたことからくるリスクが顕在化し、費用がかえって高くついてしまうことはよくあります。

手続きは、できるときにやっておくのが鉄則です。

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