1-6.法定相続のQ&A

1.はじめての相続

Q1)内縁関係にありますが、将来相続が発生した場合に相続人になれますか?

A1)結論から先に申し上げると、相続人にはなれません。相続人になれる人のことを「法定相続人」といい、配偶者(夫・妻) と血族に限定されています。

法定相続人になれる配偶者とは、戸籍法上の婚姻の届出を行った夫または妻のことです。戸籍上は籍に入っていない内縁関係の場合は相続権がありません。よく引用される事例ですが、入籍前の新婚旅行でどちらかが事故死した場合に、相続権はないのです。

 

Q2)養子は財産がもらえるのに、連れ子はもらえないというのは本当ですか?

A2)養子には実子と同じく相続権があります。一方、連れ子は、その親の再婚相手の血族相続人ではないので、相続権は認められません。連れ子でも養子縁組をすることで、相続することが可能になります。

なお、節税対策として養子縁組を悪用されないように、相続税の基礎控除の際の法定相続人の数に含めることができる養子の数は決まっています。実子がいる場合は1人、実子がいない場合は2人までが認められます。

 

Q3)いわゆる婚外子(こんがいし)、すなわち非嫡出子(ひちゃくしゅつし)には相続権がないのですか?

A4)婚姻届を行った両親から生まれた子を「嫡出子(ちゃくしゅつし)」といい、婚姻関係のない男女から生まれた子を「非嫡出子(ひちゃくしゅつし)」いわゆる「婚外子」といいます。

非嫡出子は、「認知」によって父との間に親子関係を生じさせることで、相続権を得ることができます。母との親子関係は、原則として分娩の事実によって当然発生するとされているので、認知は父親がするものと解されています。

認知された非嫡出子の相続分は平成25年9月5日以降の相続(平成13年7月1日から平成25年9月4日までの相続については、遺産分割等が終了していないものは含まれます)については、嫡出子と同等のものとなります。

 

Q12)相続人が全くいない場合、相続財産はどうなるの?

A12)相続人不存在は直ちに決まるわけではなく、まずは、利害関係人または検察官の請求により家庭裁判所が「相続財産管理人」を選任し、相続財産の管理と相続人の捜索を行わせます。

そこで相続人がいないことが確定し、家庭裁判所に「特別縁故者」の申立てがあり、その者の地位が認められれば、相続財産の全部または一部が与えられます。

特別縁故者とは、内縁の夫・妻、被相続人の療養看護に努めた人、戸籍上は養子縁組の届出がなされなかった親子同等の関係者など、被相続人の存命中に精神的あるいは経済的な支援を行なっていたなどの密接な関係を認められた人をいいます。

これらの手続きを経ても、最終的に全く相続人や特別縁故者が存在しない場合は、相続財産は国庫に入ります。

なお、共有者の一人が死亡して相続人がいないときは、相続人及び特別縁故者がいないことが確定したときに限り、その人の持分は他の共有者のものになります。


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