12-7.死後事務委任契約

12.成年後見制度とその周辺契約

親族はいるが、まったく連絡を取っていなく、自分が亡くなった後の事務(葬儀・埋葬・残置物の処理と部屋の明渡し・未払い債務の支払いなど)の負担をさせるのは忍びない、そんな方には死後事務委任契約がお勧めです。予め取り置いた死後事務履行用の金銭を用い、受任者が合法的に死後の事務を行うことができます。相続財産の使い込みなどで、相続人とトラブルになることもありません。

 

1.身寄りのない方が困ること

・財産の引継ぎについては、遺言で何とかなるけど・・・
・葬儀・納骨・部屋の片づけに始まる遺品整理は誰がやってくれるのか?

通常、家族や親族がいれば当たり前に解決することも、いわゆる身寄りのない方には、大きな課題と言えます。

1)身寄りのない方とは

① 配偶者、子、兄弟姉妹なし(天涯孤独)

  →本当の意味で身寄りのない方

② 兄弟姉妹(甥姪)はいるが、疎遠である

  →頼りにできる身寄りのない方

③ 親族はいるが、世話になりたくない

  →本人が頼りにしたい身寄りのない方

将来、周りに迷惑をかけたくないという方には、死後事務委任契約を活用されることをお勧めします。

 

2.死後事務委任契約とは

本人死亡後の事務(医療・介護機関への支払い、葬儀等法要の施行と各費用の支払い、賃借物件の明渡しなど)を、相続人ではなく、信頼できる知人等に託したいという希望にこたえる契約です。

1)死後事務委任契約でできること(例示)

① 健康保険、公的年金等の資格抹消手続き
② 病院・医療施設の退院・ 退所手続き
③ 葬儀・火葬に関する手続き(葬儀会社、お寺などとの事前協議含む)
④ 埋葬・納骨に関する手続き(お寺、墓地などとの事前協議含む)
⑤ 債権債務の清算事務
⑥ 日常生活用品の処分
⑦ 公共サービス等の解約・清算手続き

 

3.Q&A形式で確認する死後事務委任契約のポイント

1)遺言書に希望は全部書いているので、死後事務委任契約は必要ないのでは?

遺言書に書いて法的な効力を持つのは、主に財産の分与・処分の方法についてのみです。それ以外の手続きについて詳しく指定をしても、法的な効力がない場合がほとんどです。身寄りのない方には、死後事務委任契約をお勧めしております。

2)役所がすべて処理してくれるのでは?

引取り手のないご遺体は、各自治体のルールに基づき、火葬・納骨を行います。しかし、遺品整理に関しては、原則として相続人の負担によって片付けることになります。きちんと準備をする意味でも、死後事務委任契約の利用を検討してみましょう。

3)知人が好意で死後事務をしてくれるとどうなる?

知人が法律上できることは限られています。民法の事務管理規定に則って一定程度はできるとしても、事務管理者の権限を越えるかどうかへの配慮が必要だったり、費用は相続人に支払ってもらえるのか未定であったりなど、課題が山積しています。

できるかぎり、死後事務委任契約でもって、そのあたりを明確化しておくべきと思います。

4)死後事務の費用はどのように準備したらいいですか?

死後事務にかかる費用は、葬儀・納骨、遺品整理の実費と、死後事務受任者の報酬を合わせて100~200万円ほどが考えられます。委任者の預金として漫然と用意しておくと、委任者が亡くなった後に預金口座が凍結されて、受任者が葬儀費用を自腹で支払う羽目になることもあります。

一方で、予め費用を受任者に預けるとしても、受任者の方が先に死んでしまった場合に、その預託金をどのように返還してもらうかなど、課題があります。

最も安全に行うには、死後事務費用を信託会社等に信託することですが、信託手数料もばかになりません。ケースバイケースで、現実的な費用の取り置きを考える必要があります。

5)委託者の預金を、葬儀費用名目でどのくらい使ってよいのですか?

委託者の預金は、相続人のものです。死後事務委任契約で、葬儀の執り行いを依頼されていると言えども、知人の葬儀会社に比較的豪華な葬儀を発注してもよいかとなると話は別です。委任者がどのくらいの出費を予定していたかがわかるようにしておくのも重要です。また、委任者の意思を補完する上でも、公正証書にしておくのも、受任者の立場を守るために重要なことです。

6)自身が亡くなった後、お墓を守る人がいなくなるですが、どのようにしたらよいですか?

「墓じまい」の手続きをする必要があります。

墓じまいとは、

① お墓に眠っている遺骨を取り出す
② 墓石の撤去作業をおこなう
③ 遺骨を合葬墓に納骨しなおす、または散骨する

などの手続きをいいます。

7)委任契約は、委任者が亡くなったら終了すると聞いたのですが?

たしかに、民法では、委任契約は原則として、委任者の死亡によって終了します。しかし、最高裁の平成4年9月22日判決により、委任契約の特約により「委任者の死亡によっても委任契約を終了させない」という合意をすれば、この合意は有効とされました。したがって、委任者の死後も、受任者が死後事務委任契約に記載された事務を死後の一定期間は行うことができます。

8)死後事務委任契約で、相続手続きも燦リーガル事務所にお願いすることはできますか?

死後事務委任契約で相続手続きを行うことはできません。財産処理に関しては、死後事務委任契約の他に、遺言書の作成と、遺言執行者を当事務所(燦リーガル)の司法書士とする指定をセットで行うのが効果的です。

 

4.死後事務委任契約の設計、作成

1)死後事務委任契約の設計

ご本人の家族関係、葬儀・埋葬方法とその費用目安、遺品の行方などをお聞きしたうえで、死後事務委任契約の内容を設計します。

2)死後事務委任契約書の作成

死後事務委任契約書は、必ずしも公正証書で作成しなくても効果は生じますが、通常は公正証書として仕上げます。公証役場との打ち合わせを当事務所にて行ない、作成日にはご同行します。

ア)サポート料金

死後事務委任契約書の作成支援 C

7万円 +消費税

イ)公証人手数料及び実費

① 基本手数料 11,000円
② ページ加算 250円/枚

 

5.死後事務委任契約の受任者

1)司法書士が受任者になります

親族・知人に受任者がいない場合、当事務所の司法書士が受任者として契約をすることもできます。昭島市役所前の立地で、地域の皆様の信頼を長らく醸成してきた当事務所が、ご本人の死後事務を誠実に執り行います。

ア)受任報酬

死後事務委任契約の受任者

30万円~ +消費税

内訳

健康保険、公的年金等の資格抹消手続き

5万円~ +消費税

勤務先企業・機関の退職手続き

8万円~ +消費税

病院・医療施設の退院・退所手続き

5万円~ +消費税

葬儀・火葬に関する手続き

5~20万円 +消費税

埋葬・納骨に関する手続き

5万円 +消費税

住居引渡しまでの管理

5万円 +消費税

住居内の遺品整理

3万円 +消費税

公共サービス等の解約・精算手続き

1万円 +消費税/件

住民税や固定資産税の納税手続き

2.5万円 +消費税


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