15-2.自社株式の承継対策

16.事務所紹介

1.自社株の評価

事業承継させたいと思う競争力のある企業の経営者の方がまず心配されるのが、自社株の高額評価に伴う相続税です。

非上場会社の株式は、相続税・贈与税の計算上「取引相場のない株式」に分類されます。

大きく分けると、その評価方法は、

① 純資産価額方式
② 類似業種比準価額方式
③ 配当還元方式

があります。

これらの評価方法は、会社の規模(資産総額・従業員数・売上高等)によって、以下のように変わります。

① 大会社
   類似業種比準価額方式か純資産価額方式を適用します。
② 中会社
   類似業種比準価額方式と純資産価額方式の併用方式
   (併用割合:類似0.6~0.9、純資産0.4~0.1)
③ 小会社
   純資産価額方式または類似業種比準価額方式と
   純資産価額方式の併用方式(併用割合:0.5)

まずは顧問税理士に、自社株の現時点での評価をしてもらいましょう。自社株は、会社が所有している不動産の評価なども、その評価に影響します。不動産の評価を日常的に行なっている、資産税が得意な税理士でない場合、自社株の評価に難色を示す可能性もありますが、そこは顧問なのですから、頑張ってやってもらいましょう。

評価を出したその先に、実際に行うべき対策の作成会議となります。

 

2.自社株の価値の増減

自社株の評価を上げたり下げたりする要因は、事業の好調不調以外にもあります。

自社株の評価を下げる方法としては、たとえば経営者個人所有の不動産を会社に移転し、会社の現金を不動産に替えるものがあります。会社が事業に使用している土地などが向きます。

逆に、償却の終わった会社所有の建物を経営者個人が買い取り、評価の出ない建物を会社名義から外したうえで、会社が経営者個人に建物賃料を支払うようにすると、会社の現金を減らす対策となります。

経営者個人の土地に、会社が銀行からお金を借りて建物を建築してここまで事業を営んできたところ、土地を会社が個人から買い取り、建物を個人が会社から買い取ると、評価はかなり変わってきます。

 

3.経営権の承継

自社株は、その評価よりも、経営権をいかにスムーズに後継者に承継させるかも重要です。経営者が所有する株式や、会社の事業に供している不動産等の重要財産は、後継者へ集中して引き継ぐことが重要です。

次章以降の「種類株式の活用」「経営承継円滑化法」「資産家稼業の法人化スキーム」をご参考にしてください。

また、事業承継は、複数の課題について総合的に対策を打つ必要があります。

当事務所までご相談ください。


error: Alert: Content selection is disabled!!