11-1.安心贈与の支援サービス

11.生前贈与

贈与のご相談はとても多いです。
配偶者、相続人、身近な人への贈与、お客様のほうから「あげたい」という気持ちをもって、ご相談に見えます。ただし、次の論点について検討していないことも多く、弊事務所のアドバイスにより軌道修正することがよくあります。

 

1.贈与を検討する際に考えるべきこと

1)財産の譲渡時期~名義変更により変わる未来

贈与は生前に財産を譲り渡す行為です。亡くなった後に譲り渡す遺言とは異なります。あげたら容易に取り戻せないのが贈与の特徴です。生前に譲ることにより、贈与する人の未来が変わることがあります。

たとえば、自宅を長女に贈与しておきたいという場合を想定します。長男は独立して、持家があります。長女は現在30歳、結婚適齢期ではありますが、仕事に打ち込んでおり、このまま歳月が過ぎで、母娘二人の自宅での生活が続く可能性もあります。

長女に、自身の今後の生活を安心させてやりたいと考え、母が自宅の生前贈与を思い立ちました。

ところが、長女が縁あって結婚をします。夫との間に子もなし、母とは別の場所で生活を始めます。母は長女名義の自宅に住み続けます。もし、母より先に長女が亡くなるとどうなるでしょうか。長女の相続人である、長女の夫や子に対し、自宅に住み続けることの承諾を得る必要があります。

また、母が施設に入る機会が訪れました。自宅を売却して入所費用に充てたいと思います。名義人の居住用不動産として売却すれば、売却利益を3,000万円圧縮することができ、譲渡所得税はほぼかかりません。しかし、すでに実家を離れている長女名義の不動産の売却では、その譲渡税の特例が使用できません。

贈与したばかりに、未来において数々の支障が出るケースがあります。それらを十分に想定して吟味してから、贈与する必要があります。

2)贈与税

贈与すれば、莫大な贈与税がかかることをご存じない方もいます。贈与税は、日本の税制において最も税率の高い税です。贈与税の各種軽減措置を使うならまだしも、漫然と贈与すると、とても支払いきれない贈与税の課税を受けることがあります。

贈与の登記を自分たちで行ない、税務署からのお尋ね(贈与税がかかるのではないですか?という趣旨)が来てびっくり、慌てて当事務所にいらして、過去の贈与を取り消したいとご相談される方もいます。相続時精算課税制度の選択の届出さえしていれば、まったく問題なかった、という事例もあります。贈与税の試算をして、使える特例を検討し、計画性をもって、贈与したいものです。

特例を検討しても、贈与税の軽減措置をまったく使えない場合もあります。その場合には、暦年贈与です。基礎控除110万円の枠の前後で、数年にわたり少しずつ贈与することを検討します。その際、もらう人を複数人にすることで、暦年贈与のスピードを2倍、3倍にすることができます。もらう側の人間関係により、共有名義となっても支障がなければ、検討してよい方法です。

>>暦年贈与と連年贈与 について詳しくはこちら

3)安易な共有

一方で、贈与税を安くしたいからと、いたずらに、もらう人を複数にしてしまい、共有にしてはいけない人間関係で共有してしまうこともあります。

贈与は、やった後の、財産管理・財産承継の困難にも、想像力を働かせて行う必要があります。贈与すべき不動産は、兄弟のうちの1名が生活の拠点とすることが濃厚なのに、それぞれ別居して人生・生活が独立している他の兄弟姉妹に対しても名義を持たせ、共有にしているケースがあります。兄弟平等という親心から、そうした贈与が行なわれていることが多いです。

兄弟姉妹間の共有は、一緒に換価処分して現金で分けることを想定している場合を除けば、基本的に避けるべきものです。そこを生活の拠点とする子1名に対し、相続時精算課税制度を利用して贈与すれば解決する話です。

>>相続時精算課税制度 について詳しくはこちら

4)贈与を完遂する期間

相続時精算課税制度を利用できない場合において、安易な共有を避けようとし、長期にわたる暦年贈与計画を立てる方がいます。

しかし、今度は、贈与を完遂する期間が長引くことによる弊害があります。贈与の計画を10年としたばかりに、たとえば8年目に贈与者が亡くなり、その後の贈与をするには、贈与者の相続人に協力を募らなくてはならない事態になってしまったらどうでしょう。多少贈与税を支払っても、5年で完遂しておけばよかった、ということがあります。この場合、期間の短縮により負担増となる贈与税は、贈与者の相続人に協力してもらえないリスクを軽減するための経費と考えると、納得感が出ます。

かかる全体経費と、リスク回避とを、バランスよく考えて、贈与の計画をしたいものです。

5)資金提供した人の持分

父が長男の住宅取得資金の援助をすることがあります。住宅取得等資金の贈与の特例を使って、無税で贈与できる金額の上限は決まっています。上限を超えた部分につき、父の名義を入れるか否か、という論点があります。

一般的には、父の名義も入れるケースが多いようです。しかし父が亡くなった時には、父の相続人間で遺産分割協議をして、父の名義を、実際に住む長男の名義に変える必要があります。今回の住宅資金の援助を快く思っていない兄弟がいる場合、気持ちよく印鑑をもらえるかわかりません。

それであれば、上限を超えた部分につき、素直に贈与税を支払ってしまい、長男の単独名義としてしまうほうがいい、という判断もありえます。

>>住宅取得等資金の贈与の特例 について詳しくはこちら

 

2.安心贈与の支援サービス

当事務所では、上記のような視点で、お客様にとって最適な贈与方法のアドバイスをいたします。場合によって、贈与の代替手段となる、遺言や民事信託・家族信託のご提案もいたします。

1)贈与コンサルティング

お客様にとって最適な贈与のプランニングを行います。贈与に必要な書面作成を行います。場合により、贈与をする当年に、税理士のアドバイスを受ける環境をご用意します。

支援メニュー

① 贈与のプランニング
② 贈与に必要な書面作成
③ 税理士マッチング

安心贈与の支援サービス

贈与プランニング

5万円~ +消費税

贈与に必要な書面作成

0.5万円~ +消費税

税理士マッチング

無償

2)贈与の登記

当事務所の不動産登記報酬に準じます。ただし、複数年贈与の場合2年目以降の贈与登記について、お値引きがあります。

贈与の登記

贈与の登記

3.7万円~ +消費税

複数年贈与の2年目以降

3万円~ +消費税


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