3-3.生命保険金の請求

3.相続登記・相続手続き

生命保険金については、その受取人がどのように指定されているのかで分けて考える必要があります。そのときにベースとなる考え方は、「生命保険金請求権は受取人の固有の権利」というものです。

 

1.生命保険金を請求するケース

以下、3パターンに分けて確認します。

1)相続人以外の特定の者が保険金の受取人として指定されているケース

生命保険金請求権は受取人の固有の権利ですから、取得した生命保険金は被相続人(亡くなった方)のものではありません。したがって、生命保険金は被相続人の遺産には含まれません。請求手続きも、受取人が単独で行うことができます。

2)相続人の一人が保険金の受取人として指定されているケース

ケース1)と同様に、生命保険金は被相続人のものではありませんから、被相続人の遺産には含まれません。請求手続きも、受取人が単独で行うことができます。

ただし、受け取る生命保険金の額、その保険金の遺産の総額に対しての比率、受取人の被相続人に対する貢献度合い、同居の有無等あらゆる事情を総合的に判断したうえで、生命保険金の支払いが、他の相続人との関係で著しく不公平であるような場合には、「特別受益」にあたる可能性があります。

特別受益となると、

① 被相続人が支払った保険料総額、
② 被相続人死亡時の解約返戻金額、
③ 払い込んだ保険料の保険料全額に対する割合を保険金に乗じた金額、

などを相続財産に持ち戻してから、遺産分割をすることとなります。

受取人が単独で請求手続きをした後、皆で遺産分割の対象とするのは公平と言えます。

3)保険金の受取人が被相続人(死亡)自身とされているケース

相続の対象とならない、とする見解と、保険金請求権が一度被相続人に帰属するため相続財産となる見解と、2つあります。判例も統一されていません。

 

2.生命保険金を請求する際に必要な書類

生命保険金を請求する際に必要な書類は、

① 保険金請求書(保険会社所定の物)
② 保険証券
③ 死亡診断書(死体検案書)
④ 被相続人の確認書類
  以下のⅰ)ⅱ)のいずれか
  ⅰ)被相続人の住民票、戸籍謄本又は抄本、印鑑証明書の中から2点
  ⅱ)個人番号カード、運転免許証、パスポート等の中から1点
⑤ 災害事故証明書、交通事故証明書(死亡原因が災害・事故による場合)

などが挙げられます。

※必要書類は各保険会社によって異なる場合がありますので、事前に確認しておきましょう。


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