9-2.上手な遺言の利用方法

9.はじめての生前相続対策

1.遺言書必要度チェック

日本ではまだ利用度が高くない遺言書ですが、「遺言書を作成しておいた方が良かった」という代表的なケースが下記のように多く存在します。

一度ご自身の家庭環境に照らし合わせて検討してみましょう。
一つでも当てはまる方は要チェックです!

□ 子どもがいない
□ 相続人が一人もいない
□ 相続人の数が多い
□ 内縁の妻(または夫)がいる
□ 前妻(または夫)との間に子がいる
□ 配偶者が認知症である
□ 子どもが障がいをもっている
□ 家業を継ぐ子どもがいる
□ 遺産のほとんどが不動産だ
□ 自分の相続で家族に負担をかけたくない
□ 連れ子など家族構成に複雑な事情がある
□ 相続人となる親族に行方不明者がいる
□ 相続人となる親族同士が疎遠である
□ 世話・介護をしてくれた親族に遺産を多く残したい
□ 推定相続人以外に相続させたい
□ 遺産を社会や福祉のために役立てたい
□ 相続税がかかる見込みである
□ 夫から相続した資産を夫側親族に返したい

>>遺言の必要な方とは について詳しくはこちら

 

2.遺言書でできること

法律的に意味のある遺言の内容は、民法で下記の通り決められています。

1)財産の処分に関すること

第三者への遺贈

お世話になった人など相続人以外の人にも財産を贈与することができます。

社会に役立てるための寄付

社会福祉団体や公的機関や菩提寺などに財産を寄付することができます。
また、財団法人設立のための寄付もできます。

信託の設定

信頼する者に財産を管理・運用してもらうための信託設定をすることができます。

2)相続に関すること

法定相続分と異なる相続分の

指定

法定相続分とは異なる相続割合を希望する場合に、相続人それぞれの相続分を指定することができます。

相続人ごとに相続させる財産の指定

(遺産分割方法の指定)

相続人それぞれに、誰に何の財産を相続させるか指定することができます。

遺産分割の禁止

5年間遺産分割を禁止することができます。

生前贈与、遺贈の持戻しの免除

生前に行なった贈与などは、通常相続開始時には遺産に持ち戻して相続分を調整することになりますが、遺言によって調整を必要としないとすることができます。

遺留分の減殺方法の指定

相続人の遺留分が侵害された場合、遺贈等の減殺の順序や割合を指定することができます。

共同相続人間の担保責任の

減免・加重

遺産分割後にその相続を受けた財産に欠陥があって損害を受けた時、相続人どうしはお互いの相続分に応じて保障しあうことが義務となっていますが、遺言でその義務を軽減したり加重したりすることができます。

遺言執行者の指定

遺言の内容を実際に執行してもらう人を指定することができます。

3)身分に関すること

認知

婚外の子を認知することができ、認知された子は相続人となることができます。

法定相続人の廃除
またはその取り消し

相続人を推定相続人から廃除すること、または、既に家裁手続きにて行なった廃除の取り消しができます。

未成年後見人、未成年後見監督人の指定

相続人に未成年者がいて親権者がいない場合は、遺言によって未成年後見人、未成年後見監督人を指定することができます。

4)祭祀の承継(仏壇やお墓を任せる方の指定)

「系譜・祭具・墳墓」は相続の対象となりません。遺言でその承継者を決めることができます。

以上のことは遺言書に書くと、法的な効力を発揮します。

一方、他の内容について、遺言書に何も書けないのかと言うと、そんなことはありません。「付言事項」として、遺言者の思いを書き綴ることができます。法的には効力のない内容になりますが、相続人にとっては大変意味のあるメッセージとなること、間違いありません。

>>遺言の書き方 について詳しくはこちら

 

当事務所では、皆さまの遺言の作成を支援させていただいております。年間20名ほどのお客様の遺言作成に関わっております。ぜひ、一度ご相談ください。

>>遺言の作成支援サービス について詳しくはこちら


error: Alert: Content selection is disabled!!