13-6.自分の死後、離れて暮らす息子に財産を少しずつ渡したい

13.民事信託(家族信託)

1.課題

1)前提

Aさんには、高齢になって授かった子どものBさんがいます。妻との出会いもAさんが高齢になってからだったのですが、妻は、Aさんの財産に対してかなり執着しているのがわかりました。それが直接の原因ではないのですが、5年後に離婚することになりました。

2)別れた妻が、未成年の子の親権者であることの不安

離婚時に幼少のBさんは妻に引き取られました。Aさんは養育費を元妻に毎月支払っていますが、最近は自分の健康に不安を覚えるようになりました。Aさんが亡くなった場合、全財産が息子のBさんに相続されるのですが、これまでの経緯から、親権者である元妻に一切を管理されるのも不安です。

3)Aさんの希望は叶えられるのか

① 財産は子Bさんのものとしたい。
② 財産の管理・処分権は、親権者の元妻に与えたくない。

何かよい方法はないでしょうか。

 

2.民事信託を活用した解決例

Aさんには、生命保険信託を提案しました。生命保険と、民事信託を融合した仕組みです。まずは、生命保険信託の商品を取り扱っている保険会社と打合せをします。

1)保険金の交付を受けられるのは、実子Bさん

Aさんに、生命保険会社Xと生命保険契約を締結してもらいます。そして同時に、Aさんに、信託銀行(又は信託会社)Yと民事信託契約を締結してもらい、上記生命保険契約の保険金受取請求権をYに信託します。生命保険金の分割交付を受ける受益者はBさんとします。(※解約返戻金を受け取る権利としての保険契約者はAさんのままなので、贈与税は課税されないと考えます。保険会社に都度、要確認です。)

2)元妻に、財産の管理・処分権限の一切は渡さない

Aさんが亡くなった後、信託銀行(又は信託会社)Yが生命保険金を受け取り、受益者である実子Bさんに、必要に応じて、保険金を分割交付してもらいます。必要性については、指図権者として元妻を指定して判断させます。指図権の行使においては、疎明資料の提示が求められますので、元妻がいたずらに保険金を請求することはできません。それでも心配であれば、知人など、信頼できる人物を指図権者とすることもできます。

 

こうして、Aさんの課題を、民事信託を処方することで、解決できました。
本事例に近い、他の悩みにも、オリジナルの解決手段を処方します。ぜひ、当事務所にご相談下さい。


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