5-1.相続税・贈与税改正のポイント

5.相続税申告・納税

平成27年1月1日より相続税・贈与税の改正がされました。これにより基礎控除が引き下げられ、課税対象者が増えました。

以下にポイントをまとめましたのでご確認ください。

 

1.相続税の基礎控除が4割縮小

これまでよりも相続税の基礎控除が引き下げられたため、相続税が課税される家庭が増えていきます。

その一方で、未成年者や障害者の方の控除額は引き上げられています。

1)基礎控除

平成26年以前 5,000万円+1,000万円×法定相続人の人数

平成27年以降 3,000万円+600万円×法定相続人の人数

2)未成年者控除

平成26年以前 6万円×20歳に達するまでの年齢

平成27年以降 10万円×20歳に達するまでの年齢

3)障害者控除

平成26年以前 6万円×85歳に達するまでの年齢

平成27年以降 10万円×85に達する歳までの年齢

※特別障害者の場合、平成26年以前12万円⇒改正後20万円

 

2.相続税の税率が一部5%アップ

遺産の総額が2億円超3億円以下の人と、6億円超の人は税率が平成26年以前よりも5%高くなりました。

法定相続分に応じた基礎控除

税率

控除額

1,000万円以下

10%

3,000万円以下

15%

50万円

5,000万円以下

20%

200万円

1億円以下

30%

700万円

2億円以下

40%

1700万円

3億円以下

40% ⇒ 45%

1700万円 ⇒ 2700万円

6億円以下

50%

4700万円 ⇒ 4200万円

6億円超

50% ⇒ 55%

4700万円 ⇒ 7200万円

 

3.子や孫への贈与がしやすくなる

パターンA:20歳以上の者が直系尊属から贈与を受けた場合
パターンB:パターンA以外の場合

パターンAでは301~8,300万円までは改正前より減税。8,300万円を超えると増税。

【計算式1参照】
パターンBでは1,001~3,500万円までは改正前より減税。3,500万円を越えると増税。

【計算式2参照】

基礎控除を差し引いた後の課税価格

パターンA

パターンB

税率

控除額

税率

控除額

200万円以下

10%

10%

300万円以下

15%

10万円

15%

10万円

400万円以下

20%⇒15%

25万円⇒10万円

20%

25万円

600万円以下

30%⇒20%

65万円⇒30万円

30%

65万円

1,000万円以下

40%⇒30%

125万円⇒90万円

40%

125万円

1,500万円以下

50%⇒40%

225万円⇒190万円

50%⇒45%

225万円⇒175万円

3,000万円以下

50%⇒45%

225万円⇒265万円

50%

225万円⇒250万円

4,500万円以下

50%

225万円⇒415万円

50%⇒55%

225万円⇒400万円

4,500万円超

50%⇒55%

225万円⇒640万円

50%⇒55%

225万円⇒400万円

【計算式1】
  X×0.55-6400000=X×0.5-2250000
    0.05X=4150000
      X=8300000

【計算式2】
  Y×0.55-4000000=Y×0.5-2250000
    0.05Y=1750000
      Y=3500000

 

4.教育資金の一括贈与が可能に

贈与を受ける側が30歳未満の直系卑属の場合、教育資金としてならば最大1,500万円(学校外に支払われる金銭については500万円)まで一括で贈与しても贈与税がかかりません。

条件

平成25年4月1日から平成31年3月31日までに、金銭を拠出して金融機関に預けた場合。教育資金とは、学校などに支払う入学金や学校以外に支払う金銭のこと

その他、税制改正に関する詳しい内容はお問い合わせください。
相続税や贈与税に詳しい税理士をご紹介させていただきます。


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