7-2.面識のない相続人がいる場合

7.相続を翻弄する「人」の課題

相続が開始すると、先ずは相続人を確定しなければなりません。そのためには戸籍謄本を収集することから始めます。戸籍謄本を集めたところ、異母兄弟など、皆さまの把握していない相続人がいることが判明することもあります。

 

1.面識のない相続人は無視できるのか

その存在すら知らなかったと相続人と亡くなった方との間に、生前まったく交流がなかったとしても、相続人であることには変わりがありません。相続権はありますので、遺産分割協議に参加してもらい、遺産分割内容に合意を得る必要があります。

 

2.最初の接触が、遺産分割の成否を分ける

1)財産をもらわない相続人からの、よくある相談

財産をもらわない相続人の方から、こんな相談がよくあります。相続を仕切っている相続人筋から、こんな手紙が来たのだけど、どのように対応したらよいのかと。

手紙の内容でよくあるのは次のようなものです。

① 財産開示をしていない。
② 財産の多くを手紙の主が相続するから、遺産分割協議書に実印を押して返送してほしい。
③ 遺産分割協議書も同封してある。
④ この協議書には、協議書に記載のない財産は、手紙の主が相続するという文言が入っている。
⑤ 手紙には、手紙をもらう相続人の気持ちへの配慮がなく、手続き的なもののみで、かつ一方的である。

2)典型的な、残念な手紙

典型的な、「残念な手紙」で、相談者様はひどく怒っています。財産をもらえないことに怒っているのではありません。人に協力を依頼するなら、それなりの態度、話の向け方があるだろうと、怒っているのです。

相続を機とする人間の心の機微に不慣れな一般人がこのような手紙を作ってしまうならまだわかります。残念なのは、手紙の主に付いている専門職が、このような手紙の文案を作成しているケースがあることです。

3)最初の接触が、遺産分割の成否を分ける

面識のない、相手方相続人の環境・心情を想像して、丁寧に手紙を仕上げます。
内容として欲しい要素は、次のとおりです。

① 相続が発生した旨と、手紙の相手方が相続人である旨
② 葬儀等の連絡ができなかったことのお詫び
③ 相続財産の内容
  ※隠し事がいけません。
④ これから相続に臨む相手の気持ちを伺う内容
  ※こちらの分割案に応じるように、いきなり求めることはタブーです。

 

3.遺産分割サポートサービス(遺産整理業務)

相続の手続きをするためには、遺産分割の内容に全員が同意をしたうえで、全員の実印と印鑑証明書が必要になりますので、面識のない相続人がいる場合、話合いや書類のやり取りに非常に神経を使います。

「人間は感情の生き物」だという表現がありますが、言葉一つで、言い方一つで受け取り方が真逆になることもあります。突然の連絡をした挙句、いきなり「相続分はこれで我慢してください」等と言われ、「はい、わかりました」ということにはなりません。

当事務所にご依頼いただければ、多くの難しい事案を解決してきたノウハウを総動員することで、面識のない相続人間の遺産分割協議を軟着陸する可能性が高まります。

感情的になりがちな遺産分割について、冷静にかつ円満に解決できるよう、相続の実務家として、法的及び実務的なアドバイスをいたします。

相続をきっかけにして、相続人どうしがいがみ合う、いわゆる「争族」にならないように、知恵、知識、経験、そしてコミュニケーション能力を惜しみなく投入し、サポートさせていただきます。

>>遺産分割サポートサービス について詳しくはこちら
>>遺産整理業務 について詳しくはこちら
>>解決事例>面識のない相続人がいる場合 について詳しくはこちら ※リンク先編集中


error: Alert: Content selection is disabled!!