10-1.遺言の作成支援サービス
1.遺言を作成するきっかけ
遺言を作成するきっかけは、お客様自身が遺言の必要性を感じてご相談に見える場合と、弊事務所のヒアリングの中で遺言の必要性が感じられてご提案する場合と、2つあります。
1)お客様自身が遺言の必要性を感じている場合
前回の相続で、親族間で揉めてしまった経験から、今回はそのようなことがないようにと考えて遺言を作成しようと思い立つのが、典型例です。
さらに、遺言の書き方もある程度学習されており、既に遺言の文案をご自身で起こされているケースもあります。
いずれにしても、ヒアリングにより遺言の必要性を明確化し、遺言の内容を細部にわたり設計し、お客様の希望を形にして差し上げるのが当事務所の任務となります。
2)ヒアリングにより遺言の必要性が感じられる場合
これから起きる相続に対し、漠然とした不安を抱えて当事務所にお越しになる方がいらっしゃいます。生前相続対策の総合支援として、全体コンサルティングでご支援することもありますが、中には、遺言さえ書いておけば、ほぼお悩みは解決する方もいらっしゃいます。
また、相続手続きのご依頼にいらっしゃり、そのご支援がひと段落した後、次の相続に備えて、こちらから遺言の作成をご提案することもございます。
2.遺言の作成支援サービスとは
1)遺言の必要性の明確化
お客様ご自身で遺言を起案する場合と、当事務所の遺言作成支援サービスを受けた場合とで、遺言の文案が大きく異なるのは、当事務所が次の視点で遺言の役割を考えて、具体的な表現に落とし込んで遺言を設計していくからです。
そもそも、遺言がない場合、相続人全員で遺産分割協議をすることになります。遺言を作成しないまま相続が開始した場合に、遺産分割協議では思うような遺産承継ができない、もしくは、相続手続きが一切進まないと想定できる場合、直ちに遺言を作成する必要があります。
つまるところ、相続の困難の要因は、相続人全員で遺産分割協議をする際の、「人」に起因する問題が多くを占めます。
財産に起因する問題は、財産が多ければ相続税の課題があり、財産がマイナスであれば負債相続の課題がありますが、これらの影響度は全体から見ると大きくはありません。「人」に起因する問題が、相続手続きを停滞させ、相続人を著しく疲弊させます。
ここを解消するために、遺言を作成する意義があり、お客様がそれにご納得されることで、遺言の作成支援サービスが始まります。
2)遺言の完成まで伴走します
当事務所で遺言の作成をご支援する場合、遺言の起案、資料収集、内容のご確認、作成日当日の立会いと、すべてのステージで伴走いたします。
当事務所では、基本的に公証役場で作成する公正証書遺言をお勧めしておりますが、慣れない公証役場との内容打合せや段取りについて、当事務所が窓口になって一切を仕切らせていただきます。
3)遺言を起案する際の観点
お客様自身で公証役場に行っても、遺言の作成はできるのですが、公証人によるヒアリングは必ずしも十分とは言えず、お客様の環境に合った遺言が作成される保証はありません。当事務所では、次の視点で遺言を起案します。
① 財産の洗い出しと、遺言の対象とするべき財産の選定
② 相続人の確定
③ 相続人それぞれの環境や性格の検証と、有効な遺言の内容の検討
④ 相続人の亡くなる順番の前後を想定しての、予備的条項の検討
⑤ 相続手続きをスムーズに行うための遺言執行者の選定
⑥ 相続人の気持ちに配慮した付言事項の提案
⑦ 遺言者の希望を、遺言によりどのように実現するか、その方法の模索
3.遺言の作成支援サービスの料金
1)プラン別料金体系の概要
遺言作成おまかせコンサルティングプラン |
19万円~ +消費税 |
---|---|
遺言作成手続き支援プラン |
11万円~ +消費税 |
遺言作成手続き支援プラン・ライト |
8万円~ +消費税 |
ア)遺言作成おまかせコンサルティングプラン
お客様の環境、家族関係、家族への想い、財産状況、人生哲学に配慮した遺言を起案するプランです。また、遺言内容を確実に実現するためのアドバイスもいたします。まずはこちらのプランをお考えいただけると安心です。
イ)遺言作成手続き支援プラン
お客様によっては、遺言内容を詳細に練っており、法的な見地から見て、また、確実な実現性から見ても、概ね問題のない遺言を起案されている方がいらっしゃいます。
いくつかの体裁を整えて、遺言書という法的文書がきちんと成立することに配慮すればよい、というご支援の場合、こちらのプランでご案内しています。
民法の相続法分野の改正により、自筆証書遺言の利用が増えると予想されますが、お客様が起案した概ね大丈夫な遺言の、自筆証書での作成を支援するケースが想定されます。
ウ)遺言作成手続き支援プラン・ライト
お子様のいないご夫婦が典型例で、とにかく今すぐ、配偶者にすべて相続させるとする遺言を書くだけで、当面の憂いを排除できるような方へのご支援プランです。予備的条項などの作り込みが必要な場合、おまかせコンサルティングプランでのご案内となります。
2)価額別加算(遺言作成おまかせコンサルティングプランのみ)
当事務所のご支援で最も人気のある「遺言作成おまかせコンサルティングプラン」には、遺言の対象とする財産価額に応じた加算報酬基準を適用させていただきます。次の計算式を採用し、対象財産が5,000万円以上から報酬加算があります。
遺言対象財産の価額 |
加算報酬額 |
---|---|
5,000万円以上1億円未満 |
(価額の0.4%ー20万円)+消費税 |
1億円以上3億円未満 |
(価額の0.2%)+消費税 |
3億円以上 |
(価額の0.1%+30万円)+消費税 |
3)オプション
その他の費用として、資料収集のご支援や、証人等の日当があります。また、遺言執行に備えた事前資料作りのご支援もあります。
区分 | 個別メニュー(抜粋) | |
---|---|---|
③-1 | 資料収集基本報酬 | 1万円 +消費税 |
④-1 | 相続関係説明図作成 ※加算報酬あり | 2.5万円~ +消費税 |
④-2 | 財産目録作成 ※ソフトによる相続税簡易試算付 | 3万円 +消費税 |
⑤-1 | 公正証書証人日当 | 2万円 +消費税 |
⑤-4 | 遺言者意思能力事前確認 | 2万円 +消費税 |
4)お見積り例
ア)遺言作成おまかせコンサルティングプラン
弊所の一番人気プランご利用のケース。遺言対象財産が8,000万円の場合。
合計 32万円 +消費税
内訳 ①-1 17万円
② 12万円 式;8,000万×0.4%-20万
③-1 1万円
⑤-1 1万円
イ)遺言作成手続き支援プラン
お客様の起案した遺言内容が、法的にもほぼ問題なく、法的書面としての有効性を整えて差し上げれば場合で、自筆証書遺言を弊所会場にて完成させるケースです。
遺言対象財産が8,000万円としても、価額別加算は採用しないので、次のようになります。
合計 12万円 +消費税
内訳 ①-2 9万円
③-1 1万円
⑤-1 2万円
ウ)配偶者にすべて相続させるライトプラン
子どもがいないご夫婦で、遺産の全部を配偶者に相続させるとするシンプルな遺言を、公正証書で作成し、資料もお客様が取り寄せてくれた場合。
合計 8万円 +消費税
内訳 ①-3 6万円
⑤-1 2万円
エ)遺言執行・相続税申告に備えたプラン
推定相続人を確定し、相続関係説明図を作成しておくと、遺言の執行がスムーズです。遺言執行者には、法定相続人に対し、遺言執行者に就任した事実を通知する義務があります。
また、現在の遺産規模を維持し、現在の税法によると相続税の申告が必要な場合、ソフトによる相続税シミュレーションを行っておくと、納税原資の準備など、心構えができます。相続税シミュレーションサービスのついた、財産目録の作成をご依頼ください。
対象財産を2億円とし、おまかせコンサルティングプランでご支援した場合、次のようになります。
合計 65.5万円 +消費税
内訳 ①-1 17万円
② 40万円
③-1 1万円
④-1 2.5万円 ※取得する戸籍の量による
④-2 3万円
⑤-1 2万円
※公正証書遺言の場合、当事務書の報酬と別に公証人役場の手数料が必要になります。